誰もいない校庭に…… たったひとり。 ボールを操る手品師のような男の子。 右足と左足の間にボールを絡ませるようにしながら、校庭の真ん中を駆け回る。 「すごい……」 言葉を失うってこういうことなんだって思った。 あまりにも綺麗で、あまりにもキラキラしていて、私は呼吸することさえ忘れてしまうくらいに見とれていた。 白い半そでにTシャツに、膝までの青いズボン。 髪にキラキラした宝石が散りばめられているような…… 汗が夕日を浴びて、輝いていた。