次は、小学校5年生の女の子。


好きな男の子とクラスが離れてしまって、元気がない。



せっかく買った新しいピンクのピン止めを、髪から外してしまった。



「はぁ・・・・・・」




少女のため息。



僕はこの「ため息」が苦手。



悲しい気持ちになってしまうから。



でも、それが僕を呼ぶ合図でもある。


素直に僕を呼べない子は、ため息で僕に伝えてくれるんだ。





僕はまだ肌寒さの残る空を飛び、その子の教室へ駆けつける。



そして、少女の肩にそっと乗る。


『がんばって』



そう呟いて、ピコリンパウダーをふりまいた。