僕が心配なのは、桜子の友達関係。
早く、友達を作って欲しい。
僕は、昼休みにひとりで弁当を広げる桜子の元へ近付いた。
そして・・・・・・
桜子の好きな桜の匂いパウダーを天井に向かってふりかけた。
窓が開いていたおかげで、パウダーは風に乗り、教室中へ広がった。
香りは廊下を通り、各教室まで届く。
「あのさ・・・・・・良かったら机くっつけていい?」
桜子は、前の席の女の子に声をかけた。
僕のパウダーに、大きな力はない。
勇気の出ないとき、少し勇気を出す「勇気」を与えるだけ。
「うん!!!ありがとう」
笑顔で振り向いた少女は、目をキラキラさせて、桜子を見つめた。

