桜子には悲しい事実だけど、すでに涼太のファンは大勢いた。
「日向岡君って推薦でこの学校来たんだって?」
「違うよ!推薦受けたんだけど、自分で受験したいって言って、普通に試験受けたらしいよ」
「めちゃめちゃかっこいいじゃん。それって!!」
ひとりは涼太の隣の席の女の子。
他のふたりは前の方の席の女の子。
3人ともが、けん制し合うように涼太の話をしていた。
友達と同じ人を好きになるのはとても辛いから。
「でも、絶対彼女いるって」
「だよね~!」
「しかも性格悪そうだし」
きっと3人とも心にもないことを言っている。
残念だけど、涼太は渡さない。
僕の大事な桜子が惚れた男だ。
涼太には、桜子しか似合わない。
どこから見ても美男美女。

