涼太は、あいまいな返事をしながら、顔を赤くした。
雪乃とサッキーは顔を見合わせて、にっこりと笑った。
淳平は、チラチラと涼太の方を見ていた。
涼太の反応を見て、涼太の想いを確かめているようにも見える。
「声、聞こえる?」
涼太は、扉に耳をくっつけていたサッキーに聞いた。
「微妙……」
サッキーが答えると、涼太は腰を上げ、扉のガラス部分から中を覗いた。
「あ~、イライラする!!!」
涼太の言葉に、そこにいるみんなが笑い出し、淳平までもが笑っていた。
「お前、キャラ変わってるけど。どれが本物の涼太?」
淳平の質問も聞こえない涼太。
ガラス越しにじっと桜子を見つめていた。

