「そうじゃなくて…… 俺、お前に言えなかったことがあって」 涼太、頑張れ。 淳平より少し背の高い涼太は、一歩淳平に近付いて、ふーっと息を吐いた。 「あのさ…… 樋渡のこと、俺も好きかも知れない」 好きかも知れないと言ったのは、涼太なりの思いやりなんだと思った。 それに、ずっと好きだったなんて言ったら、淳平はどう思うだろう。 「は?何言ってんの、お前」 淳平は、足元に転がっていた小石を焼却炉に向かって蹴った。