部活が始まる前の部室で、僕はふたりを待った。
涼太と淳平。
学年中の女子の憧れの的であるふたり。
そのふたりに愛されている桜子。
改めて、桜子の魅力って何だろうって考えた。
かわいい笑顔やお洒落なところももちろん魅力なんだけど、
目に見えない心の部分が僕にとってはとても魅力的だと思う。
その心の魅力を、涼太だけじゃなく淳平もわかっているんだろう。
それを考えると、淳平がかわいそうに思える。
先輩達が部室に来ても、まだふたりは現れなかった。
僕はふわふわ浮きながら、校内を散歩した。
よく考えてみると、部室で恋の話なんてできるわけがなかった。
僕は、涼太と淳平を発見した。

