虹色パウダー




淳平から教科書を借りた涼太は、教室の扉の前で大声で言った。



「淳平!!部活の前にちょっと話あるから!!」



それは、淳平に言ったと同時に、桜子に言ったもの。



桜子に『淳平と話し合う』と約束した涼太は、桜子を安心さえる為にわざと大声で言ったのだろう。




淳平は、首をかしげていた。




「涼太、どうしたんだろう。朝から変なんだよな……」




何となく状況がわかってしまっている弘道や、サッキー、雪乃ちゃんは淳平の顔を見ることができなかった。