桜子は、穏やかな表情で涼太を見つめた。 今、桜子はきっと惚れ直しただろう。 涼太、何ていい男なんだ。 「あの彼女、誰だっけ?」 「あ、サッキー?」 「そうそう。その子とお前は親友だろ?うまく話してみてくれ。俺と淳平は本人同士でちゃんと話すから」 綺麗になったサッカーボールを桜子に手渡した。 「信じられない……」 ボールを見つめた桜子は、つぶやくように言った。 もう夜空には月が輝いていた。 「何が?」 「まさか……両想いになれるなんて」 涼太は、ふふっと鼻で笑った後、ばーかと言った。