「お前、わかりづらいんだよ」 「日向丘君の方がわかりづらいよ」 涼太は抱きしめていた腕の力を緩めて、桜子の顔を見た。 「涼太って呼べ。いいな」 「はい。涼太君」 「だめ。涼太って呼び捨てにしろ」 「はい。涼太」 何だぁ? この会話。