「嫌いって…… そんなわけ……」
「じゃあ、そんなに離れるなよ!」
涼太は自分から桜子に寄り添うように近付いた。
きっと肩と肩が微妙に当たっているくらいの距離。
「今日も練習に集中できなかった。お前のせいだよ」
涼太は足を組み、その足の先が桜子のひざに当たりそうだった。
「え、ごめんなさい。私のせい??」
真剣に謝る桜子を見て、涼太は笑い出した。
「お前、ほんとバカだな。淳平も趣味悪いよ。お前のどこがいいんだか」
「本当に私もそう思う。淳平……私のどこが好きなんだろう」
涼太は足を組み替えて、桜子の顔を下から覗き込むように見た。
「俺は……お前のそういうところが好きだけど」
「え????好きって?」
また立場逆転で、桜子はドキドキ炸裂で、顔が真っ赤になっていた。

