僕はその先生の引き出しの中に滑り込む。
甘い香りが漂っていた。
この匂いはチョコだな。
僕は、桜の香りのピコリンパウダーにチョコレートをミックスした。
特製『桜チョコパウダー』を、コーヒーの上からふりかけた。
どうだろう。
大人の人は、子供よりも効き目が弱いはずだけど。
ゴクン。
先生はコーヒーを飲んだ。
「あの・・・・・・これ、いかがですか?」
大きな体の先生は引き出しの中からチョコを出し、隣に座る体育の先生に渡した。
「ありがとうございます!!僕も甘いもの好きなんですよ。先生、体が大きいからちょっと怖い人なのかなって思ってたんですけど、甘党なんですね~」
向かいに座る国語教師にもチョコを配り、その後はおすすめスイーツの話で盛り上った。

