虹色パウダー




見た目は、不安なんてなさそうな大きな体の堂々とした男の先生。

担当の教科は英語。



まだ他の先生と打ち解けていないらしく、ため息ばかりついている。


そのため息が他の先生にまで聞こえて、余計に距離を広げている。



大人になっても、気持ちは同じ。


新しい環境に慣れるのは、大変なことなんだ。



みんな相手の心の中が見えないからね。


自分をどう思っているのか、すごく不安になる。




でも、相手も同じかも知れないと考えてみて。



同じように目の前にいる相手も不安なのかも知れない。


話しかけてくれるのを待っているのかも知れない。





僕は、大きな体の英語教師の机の上のマグカップのふちに立ってみる。



コーヒーか。



ちょっとなめてみる。



甘い・・・・・・


なるほど。

この先生は甘党か。