カタンと自転車を停める音がして、涼太は高く蹴り上げたボールを拾い損ねた。 「あ……」 空から落ちてきたボールは、コロコロと公園の端に転がった。 涼太は、じっと桜子を見つめていた。 「あ、ごめんなさい」 謝る桜子。 前髪が風に揺れた。 別々の灯りがふたりを照らしていた。 一歩、 また一歩と涼太は、桜子に近付いた。 そして、ひとつの灯りの下にふたりが入った。