せっかく 秘密のふたりきりの練習ができるはずだったのに。 どうしてこうなるんだろう。 ふたりを繋いでいたボールが もう桜子の手から離れてしまった。 僕はため息を吐き出すと共に やりきれない想いで 胸がいっぱいになった。 パウダー…… 使うチャンスがなかった。 僕は 力になれなかった。