あ!
窓の外ばっかり見ているから気付いていない。
斜め右横に座るおだんご頭の女の子が、少女の方を見ている。
ねぇ、気付いて。
君を必要としている子がいるんだよ。
同じ気持ちの子が近くにいることに気付いて。
僕は少女の左耳に飛び乗る。
ピコリンパウダー!!
風に乗り、桜の香りが教室中に広がった。
少女は右斜め後ろのおだんご頭の女の子と目が合わせる。
「良かったら、一緒のグループになってくれない?」
おだんご頭の少女の言葉に、少女は、大きく頷いた。
パウダーが風に乗ったおかげで、多くの生徒が勇気を出したようだ。
このクラスのグループ分けは誰も残ることなく完璧だった。

