積極的なようで消極的なふたりは、メールアドレスの交換もしないまま別れた。 次の練習の待ち合わせ、一体どうするんだ? 僕の心配をよそに、桜子はとても幸せそうだった。 自転車を押しながら、桜子はさっきの涼太との時間を思い出しているようだった。 ニヤけたり、 泣きそうになったり、 表情豊かな桜子を見ながら僕も幸せな気分になった。