ピンポーン チャイムがなった。 母が壁時計を見て言った。 「あ、もう来ちゃったかな? 悪いけど、杏奈、出てよ」 「え~」 「『え~』じゃないの! おかーさん今、手が離せないんだから。 ほら早く!」 母にせき立てられ、私はしぶしぶ玄関へと向かった。