『出社した途端、“夜の花見の席の場所取りに行け”なんて社長も気合い入りすぎ。

2年連続場所取りさせられるのは俺たちは辛いよな?』




「今年は求人採らなかったからね。

社会人2年目はまだまだ下っ端だもん。

でも場所取りが仕事っていうのもなかなか楽しいよ」




今、こうしてハルと二人でサクラを見ていられる事が凄く嬉しかったりする。





勤めてる所は小さな出版会社で社員は社長も含めて10人。

後輩が出来ないのはちょっと寂しいけれど、皆が仲良く仕事が出来る環境を私はとても気に入ってる。




………ただひとつ、胸が苦しくなるあの事を除けば、なんだけど、ね。





『あ〜。早く瞳子さんに会いたいな〜

瞳子さんが出社する前にここに来たからまだ今日は顔を見てない。

これじゃエネルギー不足だっつうの』





私がハルを好きだって気持ちを隠してた理由。






ハルが




瞳子先輩に気があるって事実さえなければ




私、どれだけ幸せだろうかって、いつも考えちゃうんだ。