息苦しくて顔を上げた先には、舞い散る桜の花びらと、ハルの優しい笑顔。





ずっと夢だったの。






優しくて愛しそうに見つめてくれるハルの笑顔が私に向けられているなんて。





しかもそれを、桜吹雪の中で見れるなんて。







『涙で、花びら張り付いてる』





頬に付いた花びらをそっと取って手を頬に添えたまま微笑んでくれる。






私も、微笑みながらハルを見つめた。







「ハル、大好きだよ」







その答えにハルはとびきり優しい口付けを私にくれた。








春に降る桜吹雪という雪の中、私たちのこれからがはじまるーー…



                        







                        fin