それをカウントに入らないだなんて、ちょっと悲しくなる。

まぁ隠さなくちゃいけない気持ちだと思って、今まで気の無い素振り見せ続けてたんだから、わからなくても当然かもしれないけどさ?






去年は翌日の休日の朝から行う花見の為の場所取りに深夜から私とハルの二人で行かされた。




ビュービュー吹く冷たい風に舞って頬に当たる桜の花びらに、私はイライラはMAX近くまで上昇中。





女の私が毛布にくるまって、寒空の下場所取りなんて最悪って気持ちにしかなれなかった。




そんな時、隣で私と同じ格好で座ってたハルが言ったんだ。





『雪みたいで綺麗だな』





その言葉で隣を見れば、空を見上げながら、嬉しそうに、舞う桜の花びらを眺めてるハルの姿。




ハルを見ていた私に気がついて、見上げてた時と同じ笑顔のまま私を見て言ったんだ。





『まるで春に降る雪みたいだと思わない?』って。





その時のハルに降り注ぐ桜の花びらが、本当に雪のように見えて、

サクラを見上げるハルの笑顔が、愛しいものを見ているような優しいものでーー…



いつの間にかイライラしてた気持ちはどこかへ飛んでいって、本当に綺麗だって私も空を見上げていた。



そして




ハルの笑顔がもっと見たいって思った。




愛しそうに笑うハルの笑顔に、私は恋に落ちた。