どないやねん!

「ぬあぁあぁ!彼氏欲しぃんじゃあ!」


私は勇輝の首を絞めながら、カラオケで叫んだ。


勇輝がミスった仕事のフォローの見返りに、カラオケをおねだり。やっぱりストレス発散はカラオケよね。


「叫ぶな!絞めるな!足開くな!体くっつけるな!そんな女に男が近づくわけないやろ!」


勇輝は、次の曲を選びながら同じくマイクで叫んだ。


だって彼氏欲しいんやもん。くすん。


私は心の中で凹(ヘコ)みつつ、グラスのミルクティーをストローで啜(スス)った。


「だいたいなぁ、茜は仕事でもプライベートでも、もっと真剣にしろよ。」


はぁ?ナニこのくそガキ。誰サマに向かってそんな口きいとんねん。勇輝ごときが偉そうに、私の許可なく言葉を発するだけでも身分不相応やのに、意見する気か!?


私は頭に来過ぎて、黙ってしまった。


「ヘラヘラしてるから、あかんねんぞ。ちゃんと見てくれてる人は良いけど、外ずらしか見てないアホな奴は、茜の事を『仕事もしないで楽しそうに電話して。』って言ってるんやぞ!」


ぬわぁにぃいいいい!!


そんな気はしてたけど、面と向かって言われると、グサリと来るなぁ。