「煙草、同じだね」


「あぁ」


「よく来るの、この場所?」


「別に、たまたまだよ」


穏やかに吹いている風と共に、ハラハラと落ちる花びらを通り抜けて、煙りが宙へと舞う。


女は吸いながら、色々と話しかけてくる。


「お兄さんさぁ…私の事、知ってる?」


「さぁ?誰?」


「誰でしょう?でも、私はお兄さんの事、知ってるよ」


「ふぅん…ライブを見に来たとか?」


「ライブ?お兄さん、バンドか何かやってるの?」


何だ、コイツ。


俺の事を知ってるとか言って、本当は何も知らないんじゃないのかよ?


それに俺もアンタの事なんか、知らないし。


今日が初めて会うんだろ?