カサリ、
手にしていた花束が、風に遊ばれて音を立てた。花が、悪戯に揺れる。
「―――」
俺は蝶子さんのお墓の前に立ち、花を供えて手を合わせた。そして、再び目を閉じる。
「銀ちゃんを助けてくれてありがとう御座います。俺は蝶子さんの事を知らないけど、これから沢山知っていこうと思う。銀ちゃんに教えて貰おうと思う。だって、蝶子さんは銀ちゃんのなかで生きているから」
ぱっと目を開けると、
影が二つ俺の両隣から伸びていた。
「実は銀って、涙脆かったりするんですよね?前に俺んちの犬が死んだ時、わざわざ家まで来てくれて。暗くてわかんねえーとか思ってたんだろうけど、泣いてたんすよ?すげえ良い大将なんです、銀は」
手を合わせて、爽が穏やかに笑う。
そう言えば銀ちゃんは、泣き虫でもあったけど涙脆くもあったな。何だか、懐かしい。
「銀さまは、不思議。居るだけで皆を虜にしちゃう、そんな素敵な人。そして優しい人。ほら?要ってばこんなナリじゃない?だから私服とかだと男に絡まれちゃうの。ふふ、銀さまには内緒だけど、昔街で助けて貰った事があるんです。その時は妹が一緒に居たから下手に手をだせなくて、困っていた所を助けてくれた銀さま。高校で再会出来た時は、本当に嬉しかったの」
手を合わせて、要も微笑む。
ああ、だから要はあんなにも銀ちゃんの事を好いていたんだな。銀ちゃんの優しい所は本当に、何一つ変わってないんだ。
手にしていた花束が、風に遊ばれて音を立てた。花が、悪戯に揺れる。
「―――」
俺は蝶子さんのお墓の前に立ち、花を供えて手を合わせた。そして、再び目を閉じる。
「銀ちゃんを助けてくれてありがとう御座います。俺は蝶子さんの事を知らないけど、これから沢山知っていこうと思う。銀ちゃんに教えて貰おうと思う。だって、蝶子さんは銀ちゃんのなかで生きているから」
ぱっと目を開けると、
影が二つ俺の両隣から伸びていた。
「実は銀って、涙脆かったりするんですよね?前に俺んちの犬が死んだ時、わざわざ家まで来てくれて。暗くてわかんねえーとか思ってたんだろうけど、泣いてたんすよ?すげえ良い大将なんです、銀は」
手を合わせて、爽が穏やかに笑う。
そう言えば銀ちゃんは、泣き虫でもあったけど涙脆くもあったな。何だか、懐かしい。
「銀さまは、不思議。居るだけで皆を虜にしちゃう、そんな素敵な人。そして優しい人。ほら?要ってばこんなナリじゃない?だから私服とかだと男に絡まれちゃうの。ふふ、銀さまには内緒だけど、昔街で助けて貰った事があるんです。その時は妹が一緒に居たから下手に手をだせなくて、困っていた所を助けてくれた銀さま。高校で再会出来た時は、本当に嬉しかったの」
手を合わせて、要も微笑む。
ああ、だから要はあんなにも銀ちゃんの事を好いていたんだな。銀ちゃんの優しい所は本当に、何一つ変わってないんだ。



