眼帯×CHOCOLATE

◆◆◆

あの日から、

蝶子ちゃんがうちに来る事はなくなった。確かに、今までもそう頻繁に来ていたわけではないけれど…

「なあ、銀。蝶ってば最近何してんだろうな?ぜんっぜん連絡つかねえー」

杏姉からこんな言葉を聞くと、無性に不安になった。杏姉にも連絡が来ない、連絡がつかない。嫌な事ばかりが頭を過る。

「クソ椎名に何かされてなきゃイイけど…」

じわり、じわり、

黒く不確かなものが広がった。

胸騒ぎがする。どうしようも無い程に、胸が騒ぐ。嫌だ、嫌だ、嫌だよ、蝶子ちゃん。


『悩む前に即、行動!』

そう言えば、僕の幼なじみがこんな事を言っていたな。単細胞で、体力バカで、ヘタレだったけど、大好きだった。

「――ミツ」

僕に勇気を頂戴。

「ちょ、え、……銀!どこ行くんだ!」


杏姉の制止を振り払い、僕は外へと飛び出した。空には綺麗というよりも、気味が悪いと言った方がいいだろう。

紅過ぎる夕陽が沈みかけている。

「蝶子ちゃん…蝶子ちゃん…」

僕は知っていた。杏姉も蝶子ちゃんも隠していたみたいだけど、夜光蝶と鬼蜘蛛がよく溜まっている場所を。

本当は、ずっと前から知っていた。

蝶子ちゃんがどんなに辛い思いをしていたのか。二人共、いつも詳しくは教えてくれなかったけど、僕は知っていたんだ。