眼帯×CHOCOLATE

やっぱり、蝶子ちゃんは笑ってる方が可愛いよ。どうしてあの人にはそれがわからないのかな?気付かないのかな?

あの人、椎名 柚樹

杏姉や蝶子ちゃんからの話でしか知らないけど、とっても怖い人。怖くて、強い人。

蝶子ちゃんの彼氏であり、――鬼蜘蛛

五代目現総長








「ねね、杏ちゃん話聞いてよ」
「おーう!まっかしときな!ほれ、銀も早くおいでー」
「うんっ!」


僕は未だ知らない。


「杏ちゃんだけが頼りだよ~!あ、勿論銀もね?頼りにしてます、東雲姉弟!」
「なーに言ってんだよ、蝶も家族みたいなもんじゃん。な、銀!」
「…うん!うんっ!」

「へへへ、嬉しいなあ」


蝶子ちゃんの笑顔が、

この日でもう見られなくなってしまうなんて。潰えてしまうなんて。

僕は、未だ知らない。






「…ねえ、本当に、嬉しかったんだよ」

蝶子ちゃんが呟いた言葉の意味も。