◆◆◆
庭の紅葉が色をつけはじめた。
外の風は冷たく、陽の落ちる時間も徐々に短くなってきている。少しだけ寂しい季節。
「あ、とんぼ…」
独り言を呟いて、僕はそっと手を伸ばした。捕まえる事なんて出来ないのに。でも、何故か自然と手が伸びたんだ。
「ぎーん?何してんの?」
「蝶子ちゃん!」
パッと笑顔を向けた先には、僕の大好きな人。元気いっぱいにピースして、微笑んでくれるあたたかい人。
「杏ちゃん待ってるの?」
「うん、鍵忘れちゃって」
ははは、と豪快に笑いながら蝶子ちゃんは、僕の頭をわしゃわしゃと撫でてくれる。頭も、心も何だかくすぐったい。
妃 蝶子
彼女は杏姉の後輩で、一番の理解者であり友人。そして、蝶子ちゃんは夜光蝶七代目の特攻隊長。因みに杏姉はその一代前の特攻隊長だったらしい。
詳しいことは正直よく解らないけれど。
でも、あまりよくないことをしているんだろうなって。それだけは、幼い僕にも理解が出来た。所謂、ボーソーゾクってやつ。
実際、現役時代の杏姉は生傷が絶えなかったし、ガラの悪そうな人とよく一緒にいたのを覚えている。
でも、僕は。
そうだとしても。二人が大好きだった。
庭の紅葉が色をつけはじめた。
外の風は冷たく、陽の落ちる時間も徐々に短くなってきている。少しだけ寂しい季節。
「あ、とんぼ…」
独り言を呟いて、僕はそっと手を伸ばした。捕まえる事なんて出来ないのに。でも、何故か自然と手が伸びたんだ。
「ぎーん?何してんの?」
「蝶子ちゃん!」
パッと笑顔を向けた先には、僕の大好きな人。元気いっぱいにピースして、微笑んでくれるあたたかい人。
「杏ちゃん待ってるの?」
「うん、鍵忘れちゃって」
ははは、と豪快に笑いながら蝶子ちゃんは、僕の頭をわしゃわしゃと撫でてくれる。頭も、心も何だかくすぐったい。
妃 蝶子
彼女は杏姉の後輩で、一番の理解者であり友人。そして、蝶子ちゃんは夜光蝶七代目の特攻隊長。因みに杏姉はその一代前の特攻隊長だったらしい。
詳しいことは正直よく解らないけれど。
でも、あまりよくないことをしているんだろうなって。それだけは、幼い僕にも理解が出来た。所謂、ボーソーゾクってやつ。
実際、現役時代の杏姉は生傷が絶えなかったし、ガラの悪そうな人とよく一緒にいたのを覚えている。
でも、僕は。
そうだとしても。二人が大好きだった。



