『椎名ってのはな、そりゃあもう本当に“鬼”の様な奴で、上も下も関係ない。気に食わない奴も、そうでない奴も、全て力でねじ伏せる。俺らが入学した時、この学園は地獄そのものだった』

『そこで、下克上起したのが銀な。たった一人で椎名の所に乗り込んで、――瞬殺』

『そんな銀さまに惚れ込んで集まったのがアタシや爽を始めとする一年集団ってわけ。それと、三年をやっちゃったって言うんで、二年も三年もビビっちゃってたのよ。椎名もプライドからか姿を消しちゃうし』

『それでも椎名派の奴らが銀にちょっかいを出して来て喧嘩になったり、幹部以外の奴らを外で手に掛けたりしてたんだけどよ』

『どうやら大将が、戻って来たらしいな』



こんな話を聞いて。

こんな奴に、この学園を任せるなんて出来ない。出来る筈がない。ってなるとさ。答えは決まってくんじゃん?


「下克上リベンジ阻止すっか!」

目を開いて前を向いた。

そこには、揺ぎない各々の思いを抱えた男達の。子供というにはやや暴力的で、大人というには余りにも純粋な、ただ、真っ直ぐな瞳が願った数だけあった。


あたりまえでしょと、微笑む要

頼もしいなと、腕を組む爽

期待してると、天を仰ぐ銀ちゃん


「東雲組、イっちょかましてやろうぜ!」
「お、マジやる気になったじゃんミッツン」
「足引っ張ったらアンタから先に潰すわよ」


遣るべきことは、ひとつ。

「無作法者に、慈悲は?」

「「「なし!」」」




さあ、戦争をしましょうか。――先輩。