――そして。

なんやかんやで爽と要に両脇をガッチリガードされた俺は。ものごっついハードはお話を聞かせて頂く運びになった次第でありましたとさ、まる


「なあ、帰っていい?」

なんて言う申し出は勿論却下。それどころか警棒を渡され、無事メデタシメデタシ…

「「て、終わらせねえよ!」」

だから、息ピッタリ過ぎだってお前ら!もうコンビ組めるよ!M1出れるよ!優勝して賞金貰って来いよそのお金でパーっと遊ぼうぜ楽しいことしようよオオオオ!
 

「…まぁ、色々と迷惑かける事になるけど頼むわ、お前ら」

パシっと手の平と甲を合わせて、不敵な笑みを浮かべる銀ちゃん。そんな銀ちゃんに要は狂喜乱舞中だし、爽は任せろと手を上げて。じゃあ、俺は?

そりゃあ、さあ

「しゃーねえなあ、銀ちゃんが守って来たシマだもんな…」

警棒を額にあて、目を閉じる。幼い頃の思い出、銀ちゃんと別れてからの思い出、そして此処で皆と作って来た思い出。


『ミツが死んだら、嫌だな…』

『充てンめええ!うちの可愛い銀を泣かせやがったな?!フザッケンな!銀泣かせたらケツから内臓引きずり出すっつっただろうが!』

『あーマジでミッツン最高だわ!イイ奴入って来て良かったよ』

『ちょっとアンタ!要と勝負しなさいよ!』




『てか、銀ちゃんじゃね?』

『久しぶりだな、ミツ』


易々と、

奪われて堪るかってんだ。俺達が守るんだ。今までの軌跡を。作りたい、世界を。