眼帯×CHOCOLATE

言葉の意味がわからず、頭の中がクエスチョンマークだらけの俺を尻目に。三人はえらく険しい顔をしている。

そして、置いてけぼり状態の俺に気がついた銀ちゃんが、ゆっくりと口を開いた。

「戦争が始まる」
「…は?ちょ、ちょちょ、何それ?唐突?!つうか誰と戦うってンだよ!」

一人あたふたする俺に、爽がスマホをずいと目の前に寄せてきて。薄目から確認した画面のなかには、一人の男の姿。

「これ、は?」

サラサラの黒髪にカラコンだろうか。燃えるような赤い瞳に、銀ちゃんと同じブレザーを着ている。そして、静止画からでも解るぐらいに嘘くさい笑顔を浮かべていた。


「椎名 瑞樹。この学園の三年で、銀がトップに立つ前にトップだった奴だ」
「も、ももももも、元トップウウ?!てか銀ちゃん三年ヤっちまったのか?!」

全く同じ動きで頷く爽と要。銀ちゃんは、ぷいっと顔を背けた。なにそれ可愛い!

だがしかし!

「んななななな、何やってんのオオオ?!そりゃリベンジにも来るってばよ!俺、今から写輪眼会得しに行ってくっから!熊と修行してくっから!アデュー!」


――バン!

「「行かせねえよ!」」

これまた息ピッタリの爽と要。てか、某お笑い芸人かよ完成度高っけえな!しかも要、素になってんじゃん!オッサン出てきてんじゃん!

「兎に角、ちゃんと説明するからコッチにおいで?――ミツ」

ファーーーー!ダメだこりゃ銀ちゃん笑ってるわなんか強そうなの後ろに従えてるわ黒っ!オーラくっろ!真っ黒禍々しい!いつからスタンド使いになったんだよ!俺、これ戦争の前に戦死するんじゃね?!

あ、それもアリか。

いやいやいや!ない!なんやかんやでやっぱりない!だって天寿全うしたいもの!ワンコ抱き締めて縁側でぽっくり逝きたいんだもの!老後の夢エエエ!