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「ちょっと充!銀さまの隣は要の指定席だって言ったでしょ!」
「何だようっせーなあ!どこだってイーじゃん飯食うぐらい!」

犬猿の仲よろしく、ドタバタと無駄に騒いでいるのは俺と要。あれから、なんやかんやで楽しくやっている。

まあ、若干銀ちゃんがウザそうだけど。そこは気にしたら負けってな。だってさ、

要の野郎、ちゃんと話したらやっぱり思った程嫌な奴じゃなくて。変態だけど。こうやって、悪友みたいな感じで仲良くやっていけている。変態だけど。


「はあ、元気だねえお前ら」

相変わらず、毎日飽きもせずイチゴオレを飲みながら、オヤジみたいに呟く爽にジト目をくれてやって。うるせーやいと奪い取る。つうか、このハゲ完全に保護者的ポジになってるよな。解せぬ。

「おー、銀もなんか言ってやれや」
「っダ!ちょ、爽てめ!余計なこと…」

「……うるさい」

あ、やっべ。

銀ちゃんが静かにマジ切れモードに移行しようとしておりますが?!おりまするが?!

「かっ、要エエ!」
「ンもう!何よ大声出さないでってば!」

ピラリ、俺の指の間に挟まれているのは一枚の古い写真。何処から出したのかとか野暮な事は聞かないでくれ。

「大人しくすんなら、コレあげちゃおっかなあ~?」
「…は?なんなのよ、その写しンフォァアアアイィィナルヴィクトリイイイイイイ!!!」


今にも泣き出しそうな潤んだ瞳
パリッと綺麗なシャツに
可愛いらしい膝小僧が見える半ズボン

そして、ランドセル姿の


「ぎ、ぎぎぎ、ぎんっサマアア?!」