「ちょっとオオオ?!そこハモッてないで止めてよ!全力で!」
面倒臭そうに出てきた銀ちゃんと、それをお疲れと支える爽。そして、そのまま哀れみの目で俺を見てくる二人。
「いや、あの、ホント止めて?」
「無理だな」
「無理じゃね」
ウン。これまた絶妙なハモリデスネー。
え、これ、マジでやらなきゃダメな感じ?なんでか知らないけど、こいつとガチンコの勝負しなきゃダメな感じ?
お、俺…、別になりたくて右腕になったわけじゃないんですけど…
「オイ、土手こいや」
「ハア?!」
どオオーてェエエ?!…あ、やっべ。マジか。焦ったアアア!一瞬DTとか言われたのかと思って泣きそうになっただとかそんな!なにこの公開処刑!公開ディスり!
とか思ったけど!違うよな?!童貞じゃなくて、土手だよな?土の!手だよな!セーーーフ!(※アウトです)
いや、でもなんだその古典的な決闘風景。オカシイだろ。今時、漫画や映画でだってそんなシーンねえぞ。今、Hey!Say!
「決着、つけっから…」
ヤだもオオオ!キャラ完全に変わってるよこの子!さっきまでのブリブリ乙女は何処に行った?!目がアサシンみたいな子しか居ないんですけど!殺し屋なんですけど!
「ミッツン、ドンマイ」
「…ドンマイ」
爽と銀ちゃんの声が、遠くに聞える。ああ、そうか。既に俺、連行されてるんだ。首根っこ引っ掴まれて、連行されてるんだ。
ははは…
要ちゃんは本当に男の子だったんですね。その腕力、もう男っていうかゴリラだわ。南無、三。



