「で、あれ何なんさ?」
「あー、アレね…」
一瞬、
困ったような顔を見せたかと思うと。爽は軽めのジェスチャーで、外に出ようと促してきた。
銀ちゃんをあの謎の生物と二人っきりにするのは不安だったけど、背に腹は代えられないと素直について行く。
「ぎーーんーーさーまアアアア!」
扉を閉めるその瞬間まで轟く野太い雄叫びに、ちょっと寒気がしたのは此処だけの秘密だ。
つうか、扉閉まってんのに聞えてくんよ!恐ええよ!ホラーだよ!夢にまで見たらどーしてくれんだよ!すっげえ濃い夢見そうだなオイイイ!
「いや、ほんとミッツンの言いてえ事はよく分かる」
「だよなあ…、て。おん?…てか、爽にも心よまれてる系?心だだ漏れ系?」
こくり、と頷く爽。
アルェエエ?!俺ってば脳に直結のスピーカーでもついてんの?歩く選挙カーなの?プライバシーの侵害?そもそもプライバシーってなにそれ?食える?食えないよねー!知ってる!
流石に知ってた!
「て、もう飛ばねえよ!」
「うお!ミッツン腕上げたなー」
自分自身に激しく突っ込みを入れて、頭をリセット。そのまま地べたにしゃがみ込むと、爽も同調してくれたのか、同じく腰を落としながら一つ大きな溜息を吐いた。
「続き、話すか?」
「おー、頼むわ。マジ、誰なわけ?」
俺の言葉に、更に大きな溜息を吐く爽。



