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「でひゃひゃひゃひゃ!ミッツン髪の色マジ半端ねえな!」

昼休み、…てか。ほぼ通しで休み時間状態のこの学校だけども。そんな憩いの時間中に、やたら無闇に俺に絡んでくるのは、

鳥海 爽。名前に似つかわしくない、ガテン系のハゲヤンキー君だ。

「うっせ!ハゲ!」

悪態をつきながら、爽のイチゴオレに手を伸ばす。つうか、ヤンキーがイチゴオレとか可愛いもん飲んでんじゃねーよ!

なんか!こう!ブラックコーヒーとか?!マムシドリンクとか?!飲みやがり下さい!

「俺も、イチゴオレ好きだけど」

だーかーらあアアアア!

何で銀ちゃんは俺の心をよむかな?!こうなって来るとエロイ事とかも妄想出来なくなるじゃん!年頃なのに!思春期なのに!


「ミツ、変態…」
「でひゃひゃひゃひゃ!ミッツンは銀にやられてばっかだなあ」
「―――」

あんたら、俺で楽しんでない?

「あーマジでミッツン最高だわ!イイ奴入って来て良かったよ」

そう笑って、目の縁に溜まった涙を親指で押さえながら。爽は、俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。いや、ほんと。泣くほど笑うなよな。

「ソウ、ミツが睨んでる」
「うっは、そりゃ怖えーな」

とか、言ってさ。更にくしゃくしゃと髪の毛を乱していくのは何でかね。愛情表現?それともやっぱり俺、舐められてんの?