『てか、銀ちゃんじゃね?』
――そう。
あの、衝撃的な転校初日の乱闘騒ぎから数日。俺は、黒凰学園の頂点に立つ、銀ちゃんの右腕的存在に成り上がった。
もともと知り合いだった事と、その活躍をどうやらかわれたらしい。正直、ヤンキーの世界はよくわからないけど。まあ、認められたって事だろう。若干まだ舐められつつも。
んで、本当にヤンキーの世界はわからない。そして、思考がよめないと。痛感した出来事があったんだ。
「銀さんは銀髪なんだし、金髪にすれば?」
うん?んんン゙?
銀ちゃんの取り巻きヤンキー共が、ニコニコと。思いつきなのか何なのか、突然こんな事を言い出してきたのだ。
いやいや、銀ちゃんが銀髪だからって何で俺が金髪?おかしくね?それ、おかしくね?
「金と銀、これで他の学校の奴らにも、もっと存在アピール出来るな!」
「おお!それ良いじゃん!冴えてンな」
「だろ?我ながら名案!」
いやいや、ホントおかしくね?俺の意思はフル無視?決定権って俺じゃねえの?本人に任されんじゃねえの?おぉん?
「てな事で、ほれ!これやるよ!」
ぽん、と手渡されたのはコンビニやドラッグストアでよく見られるあの箱。
「…は?」
「今日、染めてこいよ」
うおオオオオイ!これ無視だよ!これ完全に俺の意思は無視の方向だよ!決定権/Zeroだよ!
つうか、用意イイですねバッキャロオオオオ!耳キャップにケープまでくれんの?!女子力高!イカツイ風貌に反して女子力高!寧ろ、美容師力高!ステマ?!
からの、
「今のこの悲惨な姿ですよ。はは、謎は全て解けたかな?ここに来て、まさかの講DAAAN社の伏線回収完了。やるじゃん、俺」