眼帯×CHOCOLATE


「ま、丸投げ系じゃね?」
「自分で確認すればいいだろ」

銀ちゃんは、再びニヤリと口の端を持ち上げ。手を振りながらバスルームを出て行く。

いやいや、

髪の毛を染めただけでしょーよ。何を恐がる必要があんだよ。惑わされるな、俺。平常心。平常心を持て。そう、ヒッヒッフーだ。フッフッヒー。よし、よおおし!

と、自分で自分に言い聞かせながらも。

心臓はバッコンバッコンの暴れ馬状態。目の前には鏡があるってのに、まだ見たくないと俺の可愛い瞳が訴える。決して、ヘタレとか言ってはいけない。泣いちゃうから。

だって男の子だもん!


「いや、そこは女の子だろ。――うおっし!」

雑念を払うことも兼ね、一発気合いを入れてから目を開いた。そこには、







「ムラだらけじゃねーかあアアア!」

頭皮によろしくなさそうな毒々しい程の金色に、所々暗い色。誰がどうみたってムラだらけです本当に有難う御座いましry

いやいやいや、マジでか。マジなんか。ぺたりと鏡に両手をつき、変顔を繰り出すと目の前のアホ面も同じ顔しやがる。マジか。やっぱりマジなんか。

「なんっじゃこりゃあアアア!」

変わり果てた自分の姿を再度確認して、人ん家にも関わらず大絶叫してしまったのは、ギリギリ許して欲しい。

あ、ウソ。許されなかったくさい。やっべ。

「うるっせええんだよ!」
「ええええぇごめん銀ちゃん!…で、でも!これヤバくね?!おおお俺!明日から笑い者じゃね?!」

扉の前で腕を組む銀ちゃんに必至で縋りつくと、今度はフンと鼻で笑われた。

「ミツには丁度だろ?」
「…ワァオ」

ああ、神様。

ホントなんだって銀ちゃんはこんな事になっちゃったんでしょーか。俺を虐めて楽しいの?ヤだ、ドエス神…