「先輩、ロックオンされてるっス」
「うあ!……虹!」

ひょいっと隣から出て来たのは、やっぱり見間違いなんかじゃなく虹で。

「ボク、にーげよっと」

軽やかなステップで、感動の再会もそこそこ。外へ走り去って行ってしまった。

え、ウソ、嘘だと言ってよ神様?!


「あの金髪をヤった奴から勝負してやるよ」
「ぎーんんーちゃああぁん?!」

「オッシャアア!」
「アイツだ待てコラ金髪クソ野郎!」
「逃がすなオラアア!」

予想付いてたけどね!
何か悟ってたけどね!

って、既に黒い集団が押し寄せて来てんじゃねえか!ハア?!ちょ、お前らハウス!ハウスウウウ!誰か優秀なトップブリーダー連れて来てええエエエ?!

「勝負しろやテメエエェ!」
「ぎゃーー!」

色んな意味で耐えきれず、屋外に飛び出してみたけれど。残念過ぎるお知らせ御礼。

「あはは、向こうからも来てるみたいっスよ先輩」
「ドヒィ!なんっじゃこルァアア!」

春の温かな陽気の中、黒々しい野郎と野郎のムサっ苦しい戦いが始まるのかコレ?

せっかく桜が綺麗なのに。ピンクなのに。某G並みの黒々テカテカと勝負ですか。

ねえ、お花見でもしよう?
ほら、記念撮影でもしよう?




「コーラ、なに現実逃避してんのよ充!」