眼帯×CHOCOLATE

 
「俺らは俺らで頑張ろうや」
「地道が一番よねー」

ぽんぽんと、次々に叩かれていく頭、背中、腕。叩かれた箇所が熱く感じるのは、何でかな?


「……おう!」







見上げた空には、蒼と白線。

「良い天気だ」

虹も、同じ空を見てるかな?“先輩”と一緒に…


野々上先輩から話を聞いた。

虹は小学生の時に酷いイジメにあっていて、その所為で自分の存在を殺す事が得意になっていたのだと。

そんな虹と鬼島がどこで知り合ったかはわからない。けれど、二人は出会った。

鬼島の弟はイジメを苦に自殺をしていたらしく、虹の事を放っておけなかったのだろう、と。

『本当の弟のように思っていた』

鬼島はそう言っていたらしい。だからこそ、過保護になり過ぎて周りが見えなくなってしまっていたんじゃないかと俺は思う。

虹は、

俺たちにとっても大切な弟であり、後輩だ。でもそれはきっと、鬼島にとっても同じ。


「虹が笑ってられんなら、良いや」

もう一度空を見上げてみる。

そう言えば、皆で遊園地で遊んだ時もすげえ天気良かったな。今日みたいにさ。