眼帯×CHOCOLATE

◆◆◆


「…あれ、瑞樹?」

全ての話を聞き終わり、黒凰学園の前に到着したところで先輩が足を止めた。

そんな先輩の背中に豪快にぶつかったのは、言うまでもなく俺なわけで…


「へっブ!痛ってえぇ…って、え?」

鼻のあたまを押さえながら、ワンテンポ遅れて先輩の後ろから顔を出すと。

そこには、不機嫌そうな顔をした椎名瑞樹の姿があった。


「メグ、何しとんねん」
「え、いやあ~ちょっと後輩と親睦を深めようかな、なんて?」
「…ドアホ」

「あはは、相変わらず容赦ないね。で、瑞樹はどうして此処に?まさか僕を待ってたとか、なーんて、……っと!」

先輩に向かって投げつけられたのは、鍵?

「自分が運転したるって言うたんやろうが。俺はもう疲れてんねん」
「ん、――だね!」

そう笑って、顔をくしゃくしゃにする先輩は、本当に嬉しそうで。見ていて幸せな気持ちになれる。

それに、椎名瑞樹も

どこか優しい顔のように見えたんだ。これはきっと、勘違いなんかじゃない。

 
「お礼は、言いませんよ」

不意に聞えてきた

銀ちゃんの声に、はっとする。慌てて後ろに目をやると、銀ちゃんは腕を組みながら不敵な笑みを浮かべていた。