◆◆◆


「あ、てか何で先輩一人なんスか?」

虹を送り出し、自分達も白鳳学園を後にしようとしていた時、ふと浮かんだ疑問。

「ああ、瑞樹は先に帰ったよ」
「おぅん?」

サラリと答える先輩に、変な声を出してしまった。そんな俺を見て、先輩は噴きだしながら次の答えをくれる。

「瑞樹ね、実は鬼島に頭を下げに行ったんだ。“後輩は関係ない、やるなら俺をやってくれ”ってね」

どうやら、話を聞いていたのは俺だけではなかったみたいで。先を歩いていた銀ちゃん達も足を止めた。


「それで、右頬に一発!奥歯ポロリ」
「いや!ポロリて先輩!ンな昔のアイドルの水着からポロリじゃないんだからさあ?!えっ!マジで?!」

全身全霊渾身の突っ込みを披露する俺に、先輩はケラケラと笑う。

つか、笑えねーよ!ちっとも!!!


「……なんで、そんな」

眉間に深い深い溝を作る銀ちゃんと、苦い顔をする爽と要……って、俺また一人だけお笑い要員じゃねえか!なんでだよ!


「ミッツン、頭のなか少しだけ静かにさせてな?話が進まねーから。……な?」

頭のなかを注意される、俺。




「あはは、本当に君達は面白いね。ん、じゃあ続きを話そうかな」