笑顔で見守る先輩。その先輩の言葉に続いて、後押しをした銀ちゃん。

爽も、要も、瞳ちゃんも、笑顔を絶やさない。それは、俺だって同じだ。皆でお前を送り出すよ。

――いってらっしゃいって。










声には出せていなかったけれど、確かに俺達に届いた虹の声。

『       』


最後に流した涙はきっと

温かかったんだろうと思う


そう思うのは、虹が笑顔を見せてくれたから。例え過ごした日々の時間は少なくても、俺達にも譲れない気持ちってもんがある。


どんな理由があるにしろ

確かに虹は一度裏切った


けれど、それぐらいで簡単に折れる関係じゃない。崩れる絆じゃない。そりゃ、人間だから間違って、誤解して、哀しくて、疑心暗鬼にもなるだろう。

でも、それは“仲間”だからこそ生まれる感情。大切な、相手にだからこそ起こること。

重要なのはその一点。









「いつでも帰って来いよ、虹」