眼帯×CHOCOLATE

虹と鬼島の関係が、

どんな物なのかは解らない。


それでも、俺達と鬼島の間でこんなにも苦しんでいる姿を見ていると、胸が締め付けられる思いだ。

「鬼島サン、きっと…すぐに此処に来るっス…それで皆…」
「誰が来るって?」

コン、と

体育館の出入り口の扉を叩く音の方に顔を向けると、そこには優しい笑顔が一つ。






「君達さ、僕らの存在忘れてたでしょ?」

腕を組み、片目を閉じて悪戯っ子っぽい表情を見せてくれるのは、――野々上先輩。

「先輩達のスバラシイ活躍にも、少しは触れて欲しい所だよねー」
「その様子だと、楽勝だったみたいですね?」

先輩にも負けず劣らずな態度を取る銀ちゃんに、改めて尊敬の眼差しを送る。やっぱ俺らの大将はすげえわ。色んな意味で。

「んー、楽勝ってまではいかないかな?やっぱり鬼島は強いからね」

そんな事を言ってはいるものの、先輩に殆ど傷はない。と、来ればいくらバカな俺にだって、ある程度の想像はついた。先輩も、すごすぎ。もうワケわからん。

そして、

銀ちゃんと先輩の会話を聞いていた虹が、ピタリと泣く事を止めて顔を上げる。

「……鬼島サン、は?」

小さく震える声。

目に溜まっていた涙が、ぼろりと丸みを帯びた頬をつたって落ちていく。


「ああ、君が佐久間君かな?」