眼帯×CHOCOLATE

即ち、ゲームなわけで。

そのチョコレートの中に、わさびを塗りこんであるものを幾つか用意した、所謂ロシアンルーレット方式だったそうな。

そんでもって、そのわさび入りのチョコレート担当したのが。――そう、瀬戸さん。

銀ちゃんはずっと、チョコレートはアレルギーだから食べる事が出来ないと拒んでいたらしいんだけど。先にも見たように、あの頼りない担任。

クラスのボス的男子に、…あ、てか学年で言ったら俺がボスだから!俺、オンリーワンよりナンバーワンだから!もともと特別なオリジナルフラワーだから!

あ、やっべ。また脱線した。

そ、そんなこんなで!ボス男(クラス限定)に無理矢理チョコレートを食べさせられた銀ちゃんが、破壊神へと変貌してしまったってのが今回の事件のイキサツだ。

 
「それで、どーすんの?」

一通りの話を聞き終わった俺は、膝をパンと叩いて銀ちゃんに問いかける。

「どうするって…」
「このままじゃ気まずいっしょ?クラスで浮くかもしんねーし、瀬戸さんだって自分が悪いと思って謝りに来たんじゃん?色々と、誤解とかなきゃさ」
「…うぅ」

小さく呻き声を上げながら、銀ちゃんは視線を大きく落とす。落としたままの視線はうろうろと彷徨い、それに捕まったが最後。

「ミツ、ついて来てくれる?」
「おぅん?」

うるりと瞳を潤ませ、俺の制服の端っこを握って首こてんの必殺ポーズ。ドチクショウ。どこでそんな童貞を確実に殺す方法を覚えてきやがった。そんな可愛い事をされたら断れねえじゃねーか。てか、俺、なんか危ない扉を開きかけてね?

いやいやいやいや!それだけは駄目だ!幾ら作者の脳内が腐敗しきってようが!口を開けばBのL万歳とか言ってようが!

それだけは駄目だ!りぼんっ子やマーガレットっ子が集う健全サイトぞ!ヤられる!社会的に抹殺される!合法的に消される!潰されるウゥウウ!

「ミツ、また漏れてるよ」
「ケダモノカレシ!」
「…バカ」



そうして俺は、

銀ちゃんに付き合ってクラスの奴らに事情を説明しに行き、瀬戸さんにもきちんと銀ちゃんと話をさせ、事なきを得た。