「そんな暇、あるの?」

あっるうぇえええ?!オカシイな!なんか寒いよここ!冷気が漂ってるよここ!なんでここだけ極寒の地?!オカシイよジャパンだよ!北極じゃないよ!

「ねーよな、そんな暇」

だぁあかあらああ?!オカシイな!なんか熱いよここ!熱気が漂ってるよここ!なんでここだけ灼熱地獄?!オカシイよジャパンだよ!亜熱帯は!帰って!ぞうぞ!


「ちょ、あの、あれえ?」

寒さと熱さが同棲中してもイイ事なんてねええエエエイイィヤアアアァ君からもらい泣きイイイイ!このボケ倒しロングパス誰か受け取ってええええ!!!無理か!







「ねぇ、何か揉め事?」

頭を抱えて蹲っていた俺の頭上から、不意に優しい声が降ってくる。

どうにも聞いた事のあるその声に、勢いよく顔を上げるとそこには意外な人物が居た。


サラサラの黒髪に

眼鏡の奥の優しそうな目


「…の、野々上先輩?」

ご名答、と言わんばかりに手を振る先輩に、思わず尻餅をついてしまう。

そしてそんな俺達に気付いた銀ちゃんが、殺気をこちらに向けて来た。いや、俺も居る事を忘れないでね。

俺、仲間だからね。