眼帯×CHOCOLATE

――side.要

可愛い妹を送り出し、ゆっくりと朝食を取ってから学校へ行こうとしていたところ。一本の不気味な電話が掛かってきた。


『ポストノ 中ヲ ミロ』

ボイスチェンジャーで変えられた声と、その乱暴なブツ切りに、少しの不安を覚える。

ただの悪戯に決まってる。そう、思っても。一応、念の為と、玄関の扉を開いた。ポストの蓋を開け、覗きこめば。

不自然に中央に置かれた白い封筒。


「なんなのよ、これ」

眉間に皺を寄せながらも、その固く閉じられた封を切ると。そこには、頭の中を真っ白にさせるような。信じられないようなものが入っていた。


「……嘘でしょ」

先程、笑顔で送り出した筈の瞳

その瞳が、この先数十メートルにも満たない見慣れた場所で、見慣れない黒のワンボックスカーに連れ込まれている、ポラロイド写真が同封されていた。

「!」


背中を、嫌な汗が伝う

どうして瞳が?なんで?


そんなアタシの疑問を吹き飛ばす文章が、写真の裏に刻まれている事に気付いたのは数秒後。


――ひとりで白鳳学園に来い

絶望の色が、広がった。