眼帯×CHOCOLATE

◆◆◆


「ご馳走さま」

カラン、と空になった容器にスプーンが弾く。銀ちゃん、まさかの完食。

流石にこの光景には、俺以外の目も点になっていた。そりゃそうでしょうよ。世界ビックリ人間ショー見てる気分だったもんな。

因みにお食事中の描写を割愛したのは、まあ、アレでアレな大人の事情ってやつだ。


「ゔ、胸焼けしそうっス」

口に手をあて、虹が呟く。わかる、わかるぞ虹。けれど銀ちゃんは、そんな言葉を気にする様子は見せず、ゆっくりと席を立った。

「ほら、行くぞ」
「えっ?!」
「……問題ある?」

「イエ、トンデモアリマセン」

あれだけの量を胃袋に詰め込んで、すぐに動けるとか化け物、か?――と、皆は思った。

「おお、ミッツン腕上げたな」

ニヤニヤしながら感嘆の声を上げる爽に、ガクッと落ち込む。いや、漏れてる時点で全然腕上がってないよね?寧ろ下がってない?

「充、私と銀さまの邪魔したら許さないわよ!死刑よ死刑!」

ウン、なんでそんな話?

「先輩!ゴチっス!美味しかったっス!」

一番まともそうだけど、君サラリとたかってるからね?そこ忘れないでね?


はあ、

と一つ盛大に溜息を吐いて。俺は皆の一番後ろを、のろのろと着いて行った。