「って!途中から俺の説明乗っ取るの止めてくんない?!ビックリするんですけど?!」
「いや、ミッツンが俺だけハゲとかつけっからさ。…仕返し、みたいな?」
口の端に付いたマヨネーズを親指で取りながら、爽がぶーたれる。その仕草を見て、またしても余計な事を言ってしまいそうだったけど我慢した。
俺、エライ!
「…ま、大体の想像はつくけど」
残りのハンバーガーを全部口の中に放り込み、爽は不敵な笑みを浮かべる。
「銀、デザート系も食いたくね?何かデザートはミッツンが奢ってくれんだってよ」
「ちょ、ば…!」
「やっと気が利くようになったんだ、ミツ。じゃ、俺はこれな」
銀ちゃんに続けとばかりに、次々に食べたいものを指定してくる残りのメンバー。つうか!銀ちゃんのひっでええ!
――デカ盛りフルーツパフェ
この遊園地の名物でもあるらしいそれは、なんとお値段二千円!バカじゃねえの!パフェでニ野口さんとかバカじゃねえの!
なにより、その細い体のどこに入れる気ですか?!飯も結構ガッツリ食ってたよね?!
いやまて。でも、確かに昔っから甘いもん大好きだったよな。チョコレート無理なくせに。めちゃくちゃ糖分摂取してたよな。
「奢るのと、毟られるの、ボコボコにされるのと、どれがマシか考えてみなよ?」
「…あ、あいあいさー」
奢り、半強制的に決定。
だって最後オカシイ単語が含まれていたもの。ボコボコとかありえないもの。
「ありえるって、ミッツン」
「え」
「銀の顔、見てみろ」
「謹んで驕らせていただきます!」
止め処なく溢れて来る冷や汗と、寂しくなった財布の中身。決定、今日は多分厄日!



