「取り敢えず、俺達だけで入るか」
「え、待たねーの?」
まさかの銀ちゃんの言葉に、思わず立ち上がる。いや、立ち上がらずを得なかった。
「だって、肌焦げるし?」
「?!」
予想外の理由に、背筋が良い姿勢で固まる。そのまま背骨バキボキメモリアルになったらどうしようかと思ったぜ危ねえ。
いや、てかマジなにその女の子みたいな理由!口が裂けても言えねえけど!てか、漏れてねえだろうなコレ!
「ほら、行くぞ」
ぱしっと頭を叩かれ、銀ちゃんは虹の方へと足を進めていく。おーし、おーし!
今日の俺イイんじゃね?調子上げてきてんじゃね?明日へ羽ばたけるんじゃね?
「ああ、心配しなくても後でその羽毟り取ってやるよ」
アレッ、やっぱりアウトじゃね?
そうだ、聞かなかった事にしよう。レッツポジティブシンキングウウウ!などと、
お得意の一人脳内劇場を展開していると、銀ちゃんと虹は既に遊園地のゲートをくぐっていた。俺は完全スルーで。
「ちょ、待てよ!」
因みに、この時の某タクの物真似が、死ぬほど似てなかったのは此処だけの秘密って事でよろしくどうぞ。
「せんぱーい!」
「あ、ちょ、ホント待って」
「置いていくぞ、ミツ」
「銀ちゃーん?!」
慌てて二人の後を追う。残暑の残る、
――秋間近。