眼帯×CHOCOLATE

冷めた声の方へ顔を向けると、そこには髪を拭きながら立っている銀ちゃんがいた。

「馬鹿な事を言ってる暇があったら、勉強でもしてろ」

いや、あの学校で勉強はないでしょうよ。精々学べるのは正しいヤンキーへの道ぐらいじゃね。つうか銀ちゃん色っぽ!そこら辺の女より色っぽ!


肌を伝う水の玉

ほんのり桜色の頬

甘い、香り、


……って、オイイイイイ!いかんいかん!またしても禁断の扉を開く所だったよコレ!身体の半分を持っていかれるところだったよコレエエ!ニイサァアアン!


そして、はたと気付く。

もしかし、もしかすると。俺が女に興味がない及び、苦手なのって銀ちゃんの所為じゃね?

だって、マジで銀ちゃんはそこら辺の女や芸能人ですら目じゃない程に、整った顔をしている。そんな銀ちゃんを毎日見てたら、並みの女に目が行くわけなくね?

そもそも、

俺が女の人を苦手なのって、杏姉の所為だったよな?もう忘れられてる設定だと思うけど、まだ生きてるからね。この設定。


「設定言うな」
「あ、漏れてた?」
「漏れもれっス、先輩」

「…oh」

やべーよ。また漏れてたよ。しかも一番漏れたらダメなモノローグ部分が漏れてるよ。