「…ヒッく、うぃ~、ああー、ミッツーン。俺、彼女居るぞ~」
さっきまで、酔い潰れてただの屍になっていた筈の爽が、いきなり立ち上がって衝撃の言葉を吐き出しやがった。
「――は?」
「俺の彼女はチョー可愛いぞ~!しかも、でひゃひゃひゃひゃ…あ~、へへへえ~」
ドスン、という大きな音と共に、再び屍化する爽。え、まって、ステイ。嘘だ。嘘でしょ?爽に限ってそんな裏切りないよね?う、嘘だと言ってよ神様アアア?!
「あら、充知らなかったの?」
「全然知らなかったですけど?!」
あっけらかんと言う要に、全身を使って突っ込みを入れる。ええ、そりゃもう全力で。
「ボクも写メ見せて貰ったっスけど、めちゃめちゃ可愛い人でした!しかも巨乳!」
「 ハ ゲ 殺 す 」
なに、この敗北感
なに、この虚無感
「……虹、ナンパに行くぞ」
俺は、震え声で虹の手を取った。傍から見れば気持ちの悪い図であろう事は承知!
「決めた!脱、女克服!彼女!ゲット!」
「そーこなくっちゃ!」
「おうよ!」
「おうともっス!」
虹もノリノリで答えてくれるもんだから。これはもう行くしかないでしょうよ!おーし!
「時代はラブコメを求めとるんじゃアアアア!ギュッと恋して☆胸キュンを求めとるんじゃアアアア!アレッ!エロは?!」
「…何の代弁者だよ」



